レベッカ・ヴェスターの『聖なる夜に恋の魔法を!』
夕季 麗野 GM

プラン

アクションプラン

レベッカ・ヴェスター
(トレイス・エッカート)
スポット:1

こういうのをじっくり見るのは久々だけど、やっぱり綺麗ね
昔は友達と見に行っていたりしたけど、段々とね
みんな恋人ができていって、いつのまにか一緒に行く人もいなくなって
くっ。相変わらずね、エッカートさん…
事実だけど…。事実だけども…!
空気読まない発言に頭抱え

え、何よ唐突に
知ってるわ。トレイス・エッカートでしょ?
まあ他人だし
いやでも昔に比べたら、今はもう他人でもないけど…

え、そこで終わり?
名前で呼んで欲しいとかそう続くのかと思いきや、そこで話終わり拍子抜け
えっと…。と、トレイス…さん
なんでもない!
慌てて頬隠し、寒いからよとむりやり誤魔化し
なんか雰囲気に呑まれたわ…

照れ隠しに目線逸らしてイルミネーションに集中
そ、そういえば、このイルミネーションを一緒に見ると末永く付き合いが続くんですってね

えっ、恋人…!?
その辺りの事を知らなかったため狼狽
違うから!そういう意味で言った訳じゃないから!

リザルトノベル

 夜の閑寂の中に響く音は、レベッカ・ヴェスターとトレイス・エッカート、二人の靴音だけ……。
しなやかに伸びた木々の枝は白く輝く霧氷を纏い、イルミネーションの明かりの下にまばゆく照らし出されている。
幻想的な光景に目を奪われながら、レベッカは冷え切った指先に息を吹きかけていた。
「こういうのをじっくり見るのは久々だけど、やっぱり綺麗ね」
 電飾に飾られた氷の世界を眺め、素直に感嘆するレベッカ。
「ああ、そうだな。綺麗だ」
 一方のトレイスは、相槌もそこそこに煌く大樹をじっと観察している。
どうやら電飾が氷の枝に絡みついている仕組みについて、興味を引かれているらしい。
レベッカは頬を緩めて、トレイスとイルミネーションとを見比べていた。
彼の端整な横顔や金の双眸は、傍目から見ていても美しく見える。
レベッカがなんとなく視線を逸らせずにいると、トレイスは急に彼女のほうへ顔を向けた。
「レベッカ」
「な……なに?」
 視線に気付かれたのかと焦るレベッカだが、トレイスは気にした素振りも見せず説明を続ける。
「知っているか? 霧氷とは、氷点下の環境でしか見る事のできない着氷現象の一つなんだ」
 トレイスの解説に耳を傾けながら、レベッカはふと不思議な心地になった。
かつての自分は、トレイスとの距離感に悩んだ時期もあった。
本当にこの人と歩み寄る事ができるのかと、不安を感じた日もあった。
(不思議。今は前より、エッカートさんの事が分かるようになった気がする)
ウィンクルムとして積み重ねてきた軌跡は、二人の関係をゆっくり変化させている。
今のレベッカの瞳には、電飾の粒一つ一つがトレイスとの思い出のきらめきの様に映った。
「本当に綺麗……」
「そんなに気に入ったなら、奥に行ってみるか。青い電飾が見られるらしいぞ」
 イルミネーションに見惚れているレベッカを見て、トレイスが切り出す。
 このスノーウッドの森は、場所によってイルミネーションの色や雰囲気が異なるのが特徴だ。
森の奥ではまた違う光景に出会う事が出来るだろう。
「青い光か。レベッカの瞳と同じだな」
「えっ?」
 さらりと言ってのけるトレイスに驚き、レベッカは思わず足を止める。
「どうした?」
 一口に青色と言っても、海の青や空の蒼、連想するモノはいくらだってあるはずなのに――。
一番最初にトレイスが連想した「青」が自分の瞳の色だなんて、レベッカは想像すらしていなかった。
「……エッカートさんの髪の色だって、青いわ」
 ほんの少し照れくさくなったレベッカが小声で呟くと、トレイスは今思い出したかのように、「そうだな」と微笑んだのだった。


 レベッカよりも僅かに左前方を歩くトレイスは、近すぎず遠すぎない絶妙な距離を保っている。
レベッカはすぐ傍にトレイスがいるだけで、雪道の不安を感じる事は無かった。
 もし何かあってもすぐにトレイスが気づいて、手を差し伸べてくれる――そんな安心感があったから。
「イルミネーションは久しぶりと言っていたが、以前は良く行っていたのか?」
 銀の針葉樹の群れが前方に見えると、トレイスは立ち止まってこんな質問をして来た。
レベッカは記憶を辿るように目を細め、小さく呟く。
「昔は友達と見に行ったりしたから。でも、みんな恋人ができていって、いつのまにか一緒に行く人もいなくなって……」
 ――言い終わらないうちに、レベッカの胸に虚しさが込み上げてくる。
言わなければ良かったと後悔したほどだが、トレイスは納得したように頷いていた。
「そうか、つまり君にだけ恋人ができなかったんだな」
「くっ……相変わらずね、エッカートさん……。事実だけど……。事実だけども……!」
(わざわざ言わなくても、私が一番そんな事わかってるの!)
 寒さからではなく、行き場の無い嘆きでレベッカの拳がふるふると震え出した。
だが、トレイスの空気を読まない性質をよく理解しているレベッカは、結局頭を抱えて堪えるしかない。
「気分を悪くさせたなら、すまない。悪気はない」
「あったら、いくらエッカートさんでも怒るわ」
「……」 
 だが、今度はトレイスが電飾ではなくレベッカの顔をじっと見つめて黙り込んでしまった。
「今度は何?」
 不意の沈黙と謎の視線にさらされ、レベッカも思わずたじろぐ。
「いや、実は以前から気になる事があってな。レベッカ、俺の名前はトレイスというんだが、知っているか?」
「え、何よ唐突に……」
 レベッカがぽかんとしていると、トレイスは真剣な表情で更に食い下がってきた。
こうなった以上、彼が退いてくれるとも思えない。
レベッカは問いかけの真意を計りかねながら、正直に答えた。
「知ってるわ。トレイス・エッカートでしょ?」
「そうか、それならよかった。なんだか他人行儀な気がしてな」
「まあ、他人だし……。でも昔に比べたら、今はもう他人でもないけど……」
 レベッカが俯くと、その紅い髪の毛にふわりと雪の結晶が降った。木々の枝から落ちてきたものだろう。
トレイスは彼女の濡れた前髪に無意識に指を伸ばそうとして、すぐに引っ込める。
「まあ、人それぞれか」
 そして、次にレベッカが顔を上げた時には、トレイスは次の目的地へ向けて歩き始めていた。
「えっ?」
 これには、流石のレベッカも面食らう。
再び前を歩き出したトレイスの背中はいつも通りで、名前呼びに執着しているようには思えなかった。
徐々にトレイスとの距離が開き始めると、レベッカの胸にはもやもやした気持ちが湧き上がり始める。
「待って」
 次の瞬間、つと伸ばされたレベッカの指先は、トレイスの上着の袖口をきゅっと捕まえていた。
それは先刻、トレイスがレベッカの髪に触れようとした、あの瞬間に似ている。
「えっと……。と、トレイス……さん」
 レベッカに腕を取られたトレイスは目を見開いて振り返ったが、それはやがて喜色を含んだ笑みへと変わっていく。
「どうした?」
「……なんでもないわ」

 振り返り様の笑顔がいつになく柔らかく見えて、レベッカは動揺を隠せなかった。
「顔、赤くないか?」
「……ちがっ、これはその……寒いからよ」
 慌てて顔を背けて誤魔化そうとするレベッカだが、トレイスには見抜かれてしまう。 
「今後も、その呼び方で構わない」
 トレイスは、目を合わせようとしないレベッカに、さり気なくこんな提案を述べた。
自分にとっては容易な事でも、彼女にとっては労力を費やすものだと察したので無理強いはしないつもりだ。
全てレベッカの気持ちに委ねるという考えは、実にトレイスらしい。
(その言い方、ずるい)
 降りた沈黙が気恥ずかしくて、レベッカはイルミネーションの世界に意識を集中しながら早口で言った。
「そういえば……、このイルミネーションを一緒に見ると、末永く付き合いが続くんですってね」
 すると、トレイスも「ああ」と頷いて、レベッカの言葉に淡々と補足を付け加える。
「聞いた事がある。ここのイルミネーションを見た恋人は、その後も末永く付き合いが続くと」
「えっ? 恋人……!?」
 それはレベッカにとって、寝耳に水の事実だった。
「違うから! そういう意味で言った訳じゃないから!」
 この場所を選んだのは自分だし、「エッカートさんと良好なお付き合いを」と望んだのも自分だ。
でも、それがまさか、恋人同士のジンクスだったなんて。
「フッ」
 頬どころか耳朶まで紅潮して狼狽するレベッカを見て、トレイスは口元を押さえくすくす笑っていた。
「本当に知らなかったの!」
「わかってる。知っていたのなら君はその話題を出さなかっただろうし、そもそもここにしようとも言わなかっただろう」
 その言葉を聞いて、レベッカもやっとトレイスの表情を正面から見る事ができた。
トレイスもまた、レベッカの視線を真っ直ぐに受け止めて微笑む。
「最近少しわかってきたよ、レベッカの事」
「エッカートさん……」
「行こう、レベッカ」

 レベッカは、目の前に差し出されたトレイスの手に自分の掌を重ねる。
どこまでも青く続く光の雪道を手を繋いで歩きながら、レベッカは思った。
もし、もう一度「トレイスさん」と呼んだなら、彼は微笑みかけてくれるだろうか、と。
だけど、勢いとムードを借りずに彼の名を紡ぐのは困難で……レベッカには、あとちょっとだけの勇気が足りなかった。
代わりにほんの少し手の平に力を込めてみると、それに気づいたトレイスも、彼女の小さな手を握り返してくれる。

 一見すると分かりにくいトレイスの気遣いや行動の裏には、レベッカを案じる優しさが宿っているのだ。
光の渦中へと溶けていく二人の後姿は、きっと誰の目にも恋人同士に映るに違いないのに。

この狭い世界でただ二人だけが、その真実を知らない。




依頼結果:大成功

エピソード情報
リザルト筆記GM 夕季 麗野 GM 参加者一覧
プロローグ筆記GM なし
神人:レベッカ・ヴェスター
精霊:トレイス・エッカート
エピソードの種類 ハピネスエピソード
対象神人 個別
ジャンル イベント
タイプ イベント
難易度 特殊
報酬 特殊
出発日 2016年12月18日

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