リヴィエラの『聖なる夜に恋の魔法を!』
梅都鈴里 GM

プラン

アクションプラン

リヴィエラ
(ロジェ)
(ガウェイン)
12

リヴィエラ:

(はうぅ…折角お二人からお誘い頂いたのだもの、
ロジェとガウェイン様には仲良くして頂きたいのに
何だかピリピリしている気がします…)

あ、そうだわ!
私、お二人にサラダバーを取り分けてきますね!(席を外す)

(戻ってきて)
はい、ロジェ、ガウェイン様!
『しーざーさらだ』? です(にこりと微笑んで、二人にあーん)
お二人共、仲良くしてくださいね?

は、はわわわ…美味しいです…! ロジェ。
わ、わかりました…ガウェイン…。

ロジェ、私の大切な騎士様…。
ガウェイン、私の大切なお兄様…。
ずっと傍にいてくださいね。
(にこりと微笑み、二人の手を握る)

リザルトノベル


 ホワイト・ヒルに位置するフレンチレストラン『スノウ・ジュエル』。
『折角の大規模な聖夜祭なんだ。俺と一緒に、ちょっと豪華な夕食にでも行かないか?』
 そんな言葉を、ロジェは最愛の恋人、リヴィエラに告げた。
 思えば先の戦いも熾烈なものだった。背にした監獄から響く罵声、目前にはひしめくオーガ達……逃げも隠れも出来ない状況で、仲間達と力を合わせ、見事ウィンクルム達は勝利を収めたのだ。
 本当なら、心根の美しい彼女に見せたくはない光景だった。あまりに彼女は純粋で、人の悪意に触れさせる事はひどく躊躇われる。
 けれども――凛と強く。その細い足は、強大な敵を目の前にしても決して揺るがない。
 ロジェが思うよりもずっと強く、いつだって護るつもりが護られている。
 そんな愛するリヴィエラに、今日は沢山、笑顔を見せて貰えたらいい。そう思って。
『はい! ロジェと美味しいごはん、たくさん食べたいです!』
 花が咲いた様な彼女の笑顔を、今でも心に強く焼き付けている。
 二人きりの聖夜のデート。そう信じて疑わなかった。

「……リヴィエラを誘ったのは俺なのに、どうしてお前が来てるんだ?」
 丸いテーブルに、リヴィエラと隣り合う様に着席して。
 彼女とは逆側に座る男を睨み上げる。
「それはこっちの台詞だぜ。お前こそ何で来てるんだよ? ロジェ!」
 ブラウンの燃え上がるような髪と瞳を持つ男。
 リヴィエラと契約した、もう一人の精霊ガウェインが、腕を組み見下げる様にしてロジェを睨んだ。
(どうしてこうなった)
 そうなのだ。
 リヴィエラを誘ったのはロジェであった筈なのに、どういう意思の食い違いかはたまた自分の記憶違いなのか――レストランで合流した時には既に、何故かこの男も同席していた。
 驚いたのは相手も同じだったようで、一瞬目を丸くして。一時は「綺麗なお店! 早く中に入りましょう!」と瞳を輝かせ、無邪気にはしゃぐ彼女に二人とも絆されてなし崩しに着席したものの。
 どう考えても好意的には居られない。そもそもロジェはガウェインを毛嫌いしている。
 優しい彼女の心根を利用し、同意の得られないもと、無理矢理契約を交わした男。
『リヴィエラちゃんが可愛かったから仕方ない!』と言うあまりにストレート過ぎる理由はまあまあわからないでもない。リヴィエラはかわいい。本当にかわいい。だがロジェのものだ。他よりずっと深い仲である二人の関係に、何も知らない部外者が土足で入り込んできた事は、彼女を真に愛するロジェには度し難いのである。
(はうぅ……折角、お二人から誘いを頂いたのだもの。ロジェとガウェイン様には、仲良くして頂きたいのに……)
 険悪な空気が目に見えてきそうな程、ばちばちと火花を飛ばしあう二人の精霊に、リヴィエラは心中穏やかでない。
 ロジェに誘われたのと丁度同じ頃、ガウェインからも一緒に行かないかと告げられて。
 丁度いいと思ったのである。二人は仲が悪いけれど、同じように自分を守ってくれる頼もしい存在だ。
 切欠になればいいのに、と。自分が間に居る事が、二人を唯一結び付ける接点でもあるのだから。

「あ、そうだわ!」
 思いついたようにぱちんと手の平を打ち鳴らして、リヴィエラは席を立つ。
「私、お二人にサラダバーを取り分けてきますね!」
「おっ、気が利くねー! ありがとな、リヴィエラちゃん!」
 ガウェインが笑顔で彼女を見送った。
 ロジェもひとつ微笑み手を振った。
 二人が穏やかな顔をしたのは、その一瞬だった。
「どうしてここに居るのかって? お前に言われたくないな」
「……なんだとぉ?」
 舌戦開始のゴングである。
 先程の話を蒸し返す様に吹っかけたロジェに、ガウェインの眉間がぴきりと凍りつく。
「お前は無理矢理リヴィエラを路地裏に連れ込んで契約した。彼女の同意も無いままに、だ」
「可愛かったから仕方ないだろ」
「開き直るなっ!」
 どん! とテーブルを両手で叩き立ち上がった際、ウエイターが不安そうに見た事に気づいて、ロジェは着席する。
「そんな事は理由に……いや、彼女に一目惚れする気持ちは分かる。かわいいのもわかる、だが……ッ!」
「お前大概こじらせてて大変そうだな……」
「とにかく、だ! お前は少女拉致犯だ、変質者だ! 彼女に悲しい思いをさせたお前を、俺は許さない!」
「こ、こんのガキ……!」
 ガウェインとしては結構痛い所を突かれているのだが、その件に関してはそもそも、リヴィエラ本人から既に許しを得ている。いや、無理矢理契約する事を良しとする訳でなく、実際すべて彼女の優しさに甘えている結果なのだけれど、それでも彼女は『怒ってない』と微笑んでくれたのだ。今更蒸し返す事はもとより、うだうだと女々しく引きずる方が彼女にしたって割に合わないだろう。
「大体な、お前はリヴィエラちゃんの婚約者失格だぜ」
「なんだと?」
 頬杖を突き半眼で、ガウェインもロジェを睨んだ。
「お前はいつもリヴィエラちゃんを泣かせてばかりじゃないか」
「……そんなことは」
 ロジェの言葉尻が弱くなる。否定する自信がないからだ。
 先日も、サトリに暴露された己の過去が彼女を苦しめ、一人で泣かせてしまったばかりだ。
 次に邂逅するまで彼女が何処でどうしていたのか、ロジェは詳細を知らないのだが、その際彼女はガウェインと会っている。
 いつもそうなのだ。ロジェと何かあって逃げ込んだ先で、自分はただ慰めてやる事しかできない。婚約者でも恋人でもないのに。
「俺なら彼女を泣かせたりしない。ずっと、笑顔でいさせてやれる」
 悪いがリヴィエラちゃんは俺が貰う。
 よどみない瞳で真っ直ぐに告げてくるガウェインに、ロジェも黙っていない。
「時には泣いて、洗い流す事は必要だ。……痛みを伴ったとしても」
 お前にリヴィエラは渡さない。
 しん……と、一層二人の間に流れる空気が冬の夜空よりも冷たく、凍てつく。
 ややあって、ぱたぱたと足音を立てリヴィエラが戻って来た。
「しーざーさらだ、というものだそうです。おいしそうだったので、沢山取ってきちゃいました!」
 トングを片手に、大きなサラダボールへこんもり盛られた野菜。
 リヴィエラの満面の笑顔に、双方とも一瞬で毒気を抜かれる。
「おふたりとも、仲良くしてくださいね?」
 小首を傾げる様にしてそんな事を言われてしまえば、これ以上の無駄な諍いに時間を費やす気には、到底なれないのであった。


「ロジェ様、はい」
 取り分けた野菜にドレッシングと卵黄をほどよく絡めて、ロジェの口元へ差し出す。
「あ、あーん……」
 少し気恥ずかしくて躊躇いがちに口を開く。一口頬張ると、さっぱりとしたドレッシングにチーズが絡んだ、爽やかな野菜の香味が口いっぱいに広がった。
「おいしいですか?」
「当たり前だろ、俺が君を愛しているんだから」
 そんな言葉をロジェが平気で告げるものだから、はわわ……と照れつつ、リヴィエラの頬が上気する。
「ほら、君も」
 ロジェが取り分けたパスタを、今度は逆にリヴィエラへ差し出した。
「すごく美味しいです、ロジェ!」
「それはよかった。うん、美味いな」
「……」
 自分のぶんを口に運びながら二人の様子をぼんやり見ているガウェインには、なんだか惚気られているようで正直良い気分ではないけれど。
(……認めてないわけじゃ、ないんだけどな)
 顔を合わせれば喧嘩の耐えない相手であるロジェは、けれどもガウェインの事を『リヴィエラと契約したもう一人の精霊』として、しっかり認識してもいる。
 自分に何かあれば、リヴィエラの事は頼んだ、と。腕を信頼してくれている。
 適合する精霊というのは決して誰にでもなれる訳じゃないのだ。彼女を守る騎士がロジェ以外にも存在すると言う事実は、きっと彼の中である種の安心材料になっているはずで。
 勿論その事と、彼女との恋仲としての関係は別物だから、こうして相容れない存在となってしまっている訳だけれど――。
「ガウェイン様、食べないのですか?」
「えっ? あ、ああ……」
 ぼんやり考え事をしていた為、訝しげな顔をする彼女に一瞬呆けた。
「あ! 熱いから冷ましてたんでしょうか?」
 運ばれてきたのはじゃがいもをグラタン状に仕立てたものだ。ぽこぽこと沸騰するクリームソースからひとすくい、角切りのポテトをフォークで刺して拾い上げれば、こんがり焦げたチーズが絡む。
「ちょっと待ってくださいね。ふーふーします」
 ふうふう、ふー!
 懸命に芋を冷ます彼女の所作はとても愛らしく、ガウェインの口元が自然とにやける。
 可愛過ぎでは……? 一言惚けた様に、ロジェも真顔で呟いた。
「もう大丈夫そうです。はい、ガウェイン様」
 あーん。一口運ばれたそれは程よく冷めていて、しっかり火の通ったポテトがクリームと混ざり合い、口の中でほどけていく。
「熱くなかったですか?」
「もぐもぐ……うん丁度いい。リヴィエラちゃんのくれるものはなんだって美味いぜ」
 な、ロジェ! ここぞとばかりに同意を持ちかける。そうだな、と彼にしては珍しく、素直に頷いた。
 リヴィエラもそんな二人の様子に、満足げな表情で微笑んでいた。

「そうだ、リヴィエラちゃん」
 デザートまで完食しお茶を飲みながら、不意にガウェインが口火を切った。
「俺の事はガウェイン様じゃなくてさ、ガウェイン、って呼んでくれよ」
「えぇっ?」
 つい声が跳ね上がる。敬称をつけない呼び方は、お行儀よろしく育てられた彼女には躊躇われるのだ。
 けれども確かに、婚約者のロジェとそうではないガウェインとが同じ敬称なのは、おかしいような気もした。
(私にとってのガウェイン様は、どういう存在なのかしら……)
 今時、複数精霊なんて珍しくもない。他にもそういうウィンクルムは沢山居て、けれど皆、家族であったり恋仲であったりと、そこには何かしらの輪郭が存在している。
 ロジェは婚約者だ。周囲にそうであれと決められた形だけではなくて、屋敷から連れ出されたあの日から沢山の想いを与えてもらった、かけがえない最愛の人だ。
 リヴィエラを強引に攫ったロジェにはちゃんと理由があった。全ては彼女を想うが故に、彼自身の手を血に汚してまでしてくれた事だ。出会う切欠がどういう形であったとしても、こうして深く築ける絆があるのだという事を、リヴィエラは身を以て知っている。
 だからガウェインが無理矢理契約を交わした事だって、彼自身は苦しんでくれたけれど、彼女にとっては大した事じゃなかった。それよりもそんな優しいガウェインを知って、泣いている時いつも傍に居てくれた事が嬉しかった。
「……ガウェインは私の、優しいお兄様ですね」
「えっ?」
 気づいた時には声に出ていた。すとんと、彼女の中で腑に落ちた言葉。
 穏やかに微笑んで、不意にやんわり、ロジェの手を取る。
「ロジェ、私の大切な騎士様……」
 両手で包み込み、祈る様に目を伏せる。
 すぐに解いて、次にはガウェインの手を同じ様に取って。
「ガウェイン。私の大切なお兄様……」
 瞳を開き、二人をまっすぐに見つめて。
「二人とも、私には欠かせない存在です。ずっと傍に居てくださいね」
 静かな微笑みに固く意思を秘め、リヴィエラは告げた。
「ああ、ずっと傍に居る。君を、永久に護るよ」
 ロジェも臆する事なく、彼女の想いを受け、真摯に応えた。
 一方のガウェインはといえば、バツが悪そうに頬を一つぽり、と掻いて。
「お兄様……か。悪くはないけど……いつか」
 出来る事なら、君の恋人に――小さく漏らされた言葉を、ガウェイン? と無邪気に小首を傾げ聞き返されれば、それ以上を告げる事はやっぱり出来なくて。
 誤魔化す様にあはは! と笑い、リヴィエラの手にもう片方の自分の手もどさくさに重ねた。
「っと、なんでもねぇ! そうだな、俺も。リヴィエラちゃんを護るぜ」
「ああ。そうと決まればその手はもう離そうか、ガウェイン」
 ロジェとしては最大限の譲歩だったらしい。リヴィエラの手を握って離さないもう一人の精霊に、剣呑な笑顔で忠告する。
「はぁー!? いいだろこのくらい! 婚約者のクセに大人げねぇぞ!」
「大人げないのはどっちだ。少しは俺に遠慮しろ!」
「ああっ! 二人とも喧嘩は止めて……もう、ふふっ!」
 犬猿さながら、二人の仲睦まじい様子に、耐え難いという所作で口元を抑えて、リヴィエラはころころと笑った。




依頼結果:大成功

エピソード情報
リザルト筆記GM 梅都鈴里 GM 参加者一覧
プロローグ筆記GM なし
神人:リヴィエラ
精霊:ロジェ
精霊:ガウェイン
エピソードの種類 ハピネスエピソード
対象神人 個別
ジャンル イベント
タイプ イベント
難易度 特殊
報酬 特殊
出発日 2016年12月18日

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