シエル・アンジェローランの『聖なる夜に恋の魔法を!』
森静流 GM

プラン

アクションプラン

シエル・アンジェローラン
(ヴァン・アーカム)
(レーゲン・アーカム)
3

改めまして、お疲れ様でした&ありがとうございました!です。
ふふふ、一度三人で過ごしてみたくてお呼びしたかったのですが二人とも来ていただけて嬉しいです。
お二人は仲が悪い?もちろん知ってますよ!だからお呼びしたんです!仲良くは無理でもせめて一緒に過ごしませんか?
折角のクリスマスです。ヴァンさんとレーゲンさんはたった二人の兄弟なんですから…家族とクリスマスを過ごすのは大事なことです!

お二人ともそんなに離れないでくださーい。もっと寄って!
ここのアクアリウムすごく素敵ですよね…金魚もすごく綺麗。
アートアクアリウム・・・あ、それをモチーフにした変わったデザートがあるそうなので後で食べましょうね!
金魚のひらひらがまるで踊ってるみたいですね…綺麗です。
なんていうか心が癒されます。

お二人に出会ってまだ少ししか立っていませんが。お二人の事もっと知りたい。仲が悪い理由とかもちゃんと知りたいんです。



リザルトノベル


 アートアクアリウム『遊魚』……。
 シエル・アンジェローランは精霊のレーゲン・アーカム、ヴァン・アーカムとともに、氷の塔における戦いの傷を癒やすためにこのアクアリウムに訪れました。
 精巧に作られたな美しい数々の水槽の中を、華やかな紅白の柄の金魚たちが泳ぎ回り、計算された光と闇のコントラストの中、アクアリウム自体が一つの大きな芸術なのです。
 ただのアクアリウムとは違い、氷を用いて照明や飾り石としているのが特徴です。それもまたため息をつきそうな素晴らしさなのでした。
 シエルはその美しさと安らぎの空間の中ならば、戦いに疲れた精霊達も癒やされるだろうと思ったのです。
 アートアクアリウムの前でシエルはレーゲンとヴァンに挨拶をします。
「改めまして、お疲れ様でした&ありがとうございました!です。ふふふ、一度三人で過ごしてみたくてお呼びしたかったのですが二人とも来ていただけて嬉しいです」
 シエルは上機嫌で微笑んでいます。
 アートアクアリウムの玄関前で待ち合わせ、ということで来て見た精霊達は戸惑い顔です。
「これはシエルに一杯食わされたか……。クリスマスに過ごす奴もいないし一人よりはましかと思ったんだが……。まさか兄貴のほうも呼んでたとは」
「……はぁ、頭が痛い。シエル、お前にはそこの愚弟と俺が仲が悪いという事を理解していると思っていたんだが……」
 ヴァンとレーゲンは、まさか双子の兄弟の片割れがこの場に現れるなどと思っていなかったのでした。シエルはあえて伝えていなかったのです。
「お二人は仲が悪い? もちろん知ってますよ! だからお呼びしたんです! 仲良くは無理でもせめて一緒に過ごしませんか?」
 シエルは胸の前で両手を組み合わせて懸命に訴えました。
「俺は構わないぜ……兄貴が嫌なら帰ればいい。でもさ……シエルの言う通りせっかくのクリスマスなんだ……久しぶりに一緒に過ごそうぜ」
 ちらりと兄のレーゲンの顔を盗み見しながらヴァンがそう答えました。
「今回の作戦の労いがしたいとは聞いたがヴァンがいることは聞いていない。……クリスマスだと? そんなもの俺には必要ない」
 固い表情でそう言い放ち、レーゲンはくるりと背中を向けて元来た道を戻ろうとしました。
「折角のクリスマスです。ヴァンさんとレーゲンさんはたった二人の兄弟なんですから…家族とクリスマスを過ごすのは大事なことです!」
 そう言ってシエルはぎゅっとレーゲンのコートの裾を掴みました。
「……お前はあきらめが悪いな……いいだろう、今回だけだ」
 こうしてレーゲンは折れてしまいました。
 そういう訳で、三人は一緒にアートアクアリウムの中に入る事が出来ました。



 アートアクアリウムの中は、幽玄とでも言うべき光と闇が満ちていて、立体的な透明な水槽と氷の中に、華麗優美な金魚たちがひらひらと踊るように泳いでいます。
「お二人ともそんなに離れないでくださーい。もっと寄って!」
 しかし、通路の反対側と反対側に寄って全然違う方向の水槽を見ているレーゲンとヴァン。シエルがそう声をかけると、渋々と距離を詰めますが、結局離れてしまうようでした。
 シエルは大きな水槽の脇でがっくりと肩を落としてため息をつきました。
 ふと、知ってか知らずか、そのシエルの方に大きな金魚が天女の領巾のように尾びれをたなびかせながら近づいてきます。二匹、三匹--
「このアクアリウムすごく素敵ですよね……金魚もすごく綺麗」
 落ち込んでいたシエルですが、その金魚に慰められて思わずそう呟きました。
 するとすかさず、ヴァンがシエルの方に近づいてきました。
「おー綺麗なもんだなぁ。あの金魚、シエルに似てないか?」
 びっくりしてシエルはヴァンを振り返ってしまいます。
「変な意味じゃない可愛いって言ってるんだよ」
 シエルの表情を見て、ヴァンが慌てて付け加えます。その慌てぶりにシエルは笑ってしまいました。
 少し離れたところで、レーゲンがそしらぬふりをしつつも二人の様子をうかがっているのが分かります。
「アートアクアリウム……あ、それをモチーフにした変わったデザートがあるそうなので後で食べましょうね!」
 シエルはぱちんと手を打ち合わせて言いました。
「変わったデザートってやつも楽しみしてるぜ」
 豪快な雰囲気のあるヴァンは食べる事に興味があるのでしょうか。
「金魚のひらひらがまるで踊ってるみたいですね……綺麗です。なんていうか心が癒されます」
 水槽の中、氷の周囲を舞い踊る金魚達の群れを見つめながら、シエルは思わず小さなため息をつきました。ヴァンやレーゲン達も癒やされてくれればいいと思います。


 それから三人はアートアクアリウムの中のカフェレストランの中に入りました。
 自慢のスイーツはスノードームのような丸いフォルムの中に赤い金魚の餡が二匹踊っている和風ゼリーです。それも氷のようなイメージの綺麗なお皿の上に並べられているのです。
 他にも羊羹や琥珀羹の中に金魚の形の砂糖や餡を練り込んだものや、アートアクアリウムをモチーフにした菓子がたくさんありましたが、シエルがスノードームのように可愛らしい菓子を選んだので、精霊達もそれにしました。
 飲み物は緑茶や抹茶、抹茶ラテの中からそれぞれが好きなものを選びました。
 メニューが運ばれてくるとシエルが口を開きました。
「お二人に出会ってまだ少ししか立っていませんが。お二人の事もっと知りたい。仲が悪い理由とかもちゃんと知りたいんです」
 切り出したシエルに対して、レーゲンはあからさまに不機嫌そうな空気を出してしまいます。何も言わないところは、礼節を弁えているのかもしれませんが。
 それに対してヴァンは、いくらか考えてくれたようでした。
「兄貴と過ごすなんて久しぶりだ……しかもクリスマスに。昔は母さんや父さんと兄貴と…4人で過ごしてたよな。オーガに二人が殺されるまでは……それなりにちゃんと兄弟だった。二人っきりになってあんたとは喧嘩ばっかして必要な事以外は話さなくなってもうずっとこのままだろうなって思ってたけど」
 そのときのヴァンの視線はシエルに向けられていましたが、彼は内心では、レーゲンに聞いて欲しいと思っていたのかもしれません。
 シエルはそんな微妙なヴァンの感情を感じ取ります。
 ヴァンはヴァンで、同い年の兄の事を、心のどこかでずっと気に掛けていたのです。
「クリスマス……最後に祝ったのはいつだったか……両親が死んでからはそんなこと考えてる暇はなかった。生きていくために必死になって……そんな余裕なかった。それなのに……ヴァンはクリスマスやら正月やらで騒いで……それが鬱陶しかった」
 恐らくレーゲンは兄だという気負いから、ずっと真面目に仕事をしてきたのでしょう。仕事上の人間関係というのはただでさえ難しいものです。元からの性質もあったのかもしれませんが、人間関係で疲労した事もあり、いつしか今のような人付き合いに慇懃無礼な性格になったのかもしれません。
 そして、両親を失った衝撃の大きさから、人の愛情を手に入れる事に躊躇いを覚えたのかもしれませんでした。
 最初から大切な人間などいなければ、失う悲しみを知らずにすむからです。
 クリスマスや年末年始で弾けて楽しむ人の群れを、レーゲンはどんな想いで眺めていたのでしょう。その人の輪に交じり、世間の人並みに楽しもうとするヴァンの事も。
(レーゲンさん……)
 シエルはレーゲンの心中を推し量り、何も言えなくなってしまいます。彼の気持ちも分かりませんが、22歳の若さでまるで世を捨てたひねくれ者の老人のように生きるのは、余りに寂しすぎるとシエルは思うのでした。
「両親はいないのに何でお前はそんなものを楽しもうとするんだ。俺と同じ顔なのに考えてることもすることも全く違う」
 レーゲンの言葉に、ヴァンはヴァンで察するものがあったらしく、何も答えませんでしたが、眉間に皺を寄せています。
「……母さんが……父さんが死んだのは俺のせいだって責めてくれればいっそ楽だった。なのにお前は、今を楽しもうとする」
 シエルは、(楽だった)とレーゲンが言った瞬間、ヴァンが口の中で「そんなこと出来る訳ないだろ」と早口で言ったのを聞き取ってしまいました。
 ですが、レーゲンには聞こえなかったようです。
 しばらくの間、沈黙があって、やがてヴァンが話し始めました。
「二人とも同じ神人のウィンクルムだなんて運命の悪戯ってやつだよな……俺はそれなりに楽しいけどな。あんたはどうなんだ?」
 今までとは全く違う形で兄とつながりが出来ている事に、ヴァンは何か期待を持っているのかもしれません。
 これで、二人は今までと違うつながりを持つ事になり、ヴァンもレーゲンも人生が変わっていくのだと思うのです。違う世界の地平が開けていくのだと。
「ウィンクルム? オーガを倒せるなら大歓迎だね」
 レーゲンは冷ややかに言い捨てました。
 シエルはそれに対しても、何か違和感を覚えます。
 ウィンクルムは世界を滅ぼすオーガを倒すもの……それで何も間違いはありません。でも、それだけなのでしょうか。それだけのために、シエルはこの双子の精霊と出会ったのでしょうか。
 シエルは双子達とそれぞれ一回ずつ行ったデートの事を思い返しました。

--「母親が女神か……確かに俺の母親は女神かもしれないな」
 実の母親を女神と思っているのか、それとも女神ジェンマこそ母親と慕っているのか、そんな複雑な心境をうかがわせたレーゲン。

--「子供? 俺は嫌いじゃねーよ。俺はな。兄貴は嫌いみたいだけどな」
 シエルとデートの最中も、ずっと兄の事を話していたヴァン。

「お二人は……どんなウィンクルムになりたいと思ってらっしゃいますか?」
 二人の方を真っ直ぐに見つめながらシエルはそう言いました。
「どんなウィンクルム……?」
 レーゲンが首を傾げます。
「どんなって?」
 ヴァンもいぶかしそうにしています。
「私達は今回、オベリスク・ギルティで強敵と戦いました……。セナさんとミラスさんを助け出すために。そして、ユウキとリーガルトも手強い敵でした。どちらも、高レベルのウィンクルムで……ウィンクルムの誇りのために戦っていたのだと思います」
 シエルの言葉に、ヴァンははっと息を飲みました。
 レーゲンも黙って聞き耳を立てています。
「私達はまだまだ経験の浅いウィンクルムです。それは言い換えれば、これからどんなウィンクルムにもなれるという事だと思います。私自身、まだまだ戸惑う事ばっかりが多いけれど……それでも、間違った道に進みたくないと思っています」
 シエルが話し続けると、レーゲンはクールなそぶりで冷たい緑茶をすすっています。ですが、彼女の方に注意を払っているのは分かるのでした。
「お二人のご家族の事や……これまでどんな歴史を重ねてきたかは……まだ私には分からない……いつかきっと、分かりたいと思います……」
 溺愛の中に包まれて生きて来たシエルにとっては、幼くしてオーガに両親を奪われるという悲劇は、想像は出来ますが、それはあくまで想像なのです。実感が伴わないのでした。それを本当に分かるという努力をするためには、もっともっと時間が必要でしょう。
 それよりも、彼女にとって現実的なのは、二人とどんなつながりを持って行くかという事でした。
「これから三人でお正月を迎えて……来年も一緒にクリスマスをして……そして再来年も……私達はウィンクルムとしてのつながりを持って行きます……それを、どんな形にしていくか……お二人に考えて欲しいのです。私も考えますから……」
「ああ」
 ヴァンは嬉しそうな笑顔を見せてくれました。レーゲンもどこか満足そうです。
「未来へ、視線を向けましょう」
 三人の未来へ。
 聖夜のきらめく光と闇の中、三人のウィンクルム達は、新しい日々が生まれる予感に胸をいっぱいにしたのでした。

 




依頼結果:大成功

エピソード情報
リザルト筆記GM 森静流 GM 参加者一覧
プロローグ筆記GM なし
神人:シエル・アンジェローラン
精霊:ヴァン・アーカム
精霊:レーゲン・アーカム
エピソードの種類 ハピネスエピソード
対象神人 個別
ジャンル イベント
タイプ イベント
難易度 特殊
報酬 特殊
出発日 2016年12月18日

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